通常よく使われる色校正には.....
DDCP(インクジェット)
DDCP(Digital Konsensus Pro)
本紙校正
本機校正
などがあります。
それぞれに、長所と短所があり一般的には......
長所
短所
DDCP(インクジェット)
・
校正ができ上がるまでの手順が短い(時間が早い)
・
安価である
・
印刷物の色に近づけるためにはカラーマッチング等が必要になる
・
網点が表現できない
・
用紙の種類が少ない
DDCP(Digital Konsensus Pro)
・
校正ができ上がるまでの手順が短い(時間が早い)
・
DDCP機器としては印刷物に非常に近い
・
網点の表現が可能
・
非常に品質が安定している
・
印刷物の色に近づけるためにはカラーマッチング等が必要になる
・
インクジェットタイプよりもコストが高い
・
用紙の種類が少ない
本紙校正
・
印刷物の再現性が色、データの両方とも高い
・
簡易校正やコンセンサスよりも時間がかかる
・
コストが高い
・
色の安定性にやや欠ける
本機校正
・
印刷物の再現性が色、データの両方ともほぼ100%
・
簡易校正やコンセンサスよりも時間が非常にかかる
・
コストが非常に高い
...のような傾向があります。
少し前までは「本紙校正」が利用される事が多かったのですが、最近は「DDCP」の品質が上がった為、DDCPの割合が多くなっています。
印刷とDDCP等による色濃度の表現方法は基本的には異なります。プリンターの色濃度の表現方法は簡単に分類すると、
同じ大きさのドットの密集度で色を表現する
ドットの大きさで色を表現する
ドットの大きさと密集度の組み合わせで色を表現する
ドット自体の階調で表現する
上記複数を組み合わせる
というような分類ができます。実際の印刷では網点自体の色と1つ1つの大きさで表現してるので、カラープリンター等も「ドットの大きさで表現」しているタイプが好ましいように感じますが、インク自体の色やドット1つ1つの濃度が印刷とは異なるため、単純に同じ方式を利用たからといって、色が印刷物に近づく事にはなりません。Desgital Konsensus Proの場合は印刷と同じ方式で色を表現していますが、単純に網点の大きさと色を印刷物に合わせるだけではなく、ICCプロファイル等を利用して印刷物に近づくような調整を全て自社内で行っています。インクジェットタイプの場合には、色の表現方法が印刷物とは違いますので、ICCプロファイルを自社内で作成・調整を行ってカラーマッチングを行っています。
通常カラーマッチングというとモニタの色、色校正、印刷物などの印刷物に関わる工程すべてを通しての事項になりますが、ここでは色校正と印刷物についてのみに限定した話になります。
コストや出力までの時間などDDCPによる色校正は大変魅力があります。
問題は色の再現性と、フィルムから色校正を作成しないので色校と印刷物が色以外でも異なる可能性がある点です。
最初の問題である色の再現性をクリアするのが色校正と印刷物の色を近づけるカラーマッチングになります。
方式はいろいろあるのですが、ICCプロファイルを利用して、印刷のインクの色に近づけるために例えば、データではシアンしか入ってなくても他の色をまぜて表現するような方式が良く利用されます。
例:(極端な例です。実際にはありえません。)
カラープリンターの赤のインクの色
→
印刷の赤のインクの色
→
....なので
色校正の赤色の部分は
→
赤インク
に
青インク
を掛け合わせて
で表現する。
ただし、いくら高度なカラーマッチングを行っていっても現在ではあくまで印刷物の色に近づいていく、という話であり全く同じにはなりません。それでも最近はかなり印刷物に近い色校正が出力できるカラーマッチングシステムもいくつかあります。
カラープリンター等による校正出力の問題点に最終的な印刷物と校正が異なってしまう事があるというものがあります。(フォントが校正では問題なかったのに印刷したら他のフォントに置き換わってしまった、意図しないところがオーバープリントした...等)
これはPost Scriptのデータを印刷するときはかならず、RIPという作業があるのですがそのRIPを行うマシンやソフトがフィルムやCTP出力時とカラープリンターの出力時に違う為に起こる問題です。
単純にフィルム・CTPも色校正も同じハードとソフトでRIPができればいいのですが、フィルム・CTP出力機とプリンターのメーカー間の問題や出力解像度が大きく異なるため(フィルム・CTPは2000〜3500dpi、カラープリンターは400〜800dpi程度、Digital Konsensus Proは2400dpi)、そのようなシステムはある程度限定されています。
当社のパック関連で使用するシステムはHeidelbelg社のDelta Technologyというものです。これはカラープリンター等による色校正の問題点である.........
・印刷物との色の違い
・最終的なフィルム出力と結果が異なってしまう
という物を解決するために.....
・ICCプロファイルを使用したカラーマッチングを実行
・CTP出力と色校正出力に同じRIPを使用する
....という特徴があります。
具体的には、
レイアウトソフト等で作成したデータをPOST SCRIPTファイルにします。そのFILEをDELTA WORKSTATION(RIP)に送ります。
DELTA WORKSTATION(RIP)はDELTA LISTという中間FILEを作ります。色校正を出す場合はカラーマッチングされたデータをPX10000やDegital Konsensus Proに転送、CTP出力の場合はそのままDELTA TOWERに転送します。
DELTA TOWERは送られたデルタリストから網点を発生してPS版が出力されます。網点を発生させるDELTA TOWER内ではRIP処理が終わったデータを網点に変換させるだけなので、色校正に送られるDELTA LISTとイメージセッターに送られるデータは一致した物になります。
このようにCARROTの色校正のシステムはカラープリンター等による校正での弱点をほぼ解消したもので、色校正が実際の印刷物を正確に反映する事になります。
データ上のトラブル(画像の保存形式等の問題、フォントの問題など)はこの色校正システムでほぼ完全に確認できます。但し色に関してはカラーマッチングを行っていますので、かなり印刷物に近い色味になりますが、前述の通り完全に一致した色にはなりません。